プルーンの木
まるで外国に来たかのような美しい庭のカフェで、季節の花々を愛でながら味わう至福のひととき。
細い小道を進んだ先に突如現れる、森の中の別世界カフェ。
カフェ プルーンの木は亀岡市本梅町西加舎にあります。
R477からは本梅小近くの交差点を曲がり、加舎の里のゴルフ場の方面に向かう途中に小さな看板があるので、見落とさないようにしてください。その看板を左折して、細い道をまっすぐに進んで行った先に、森に囲まれた建物が現れます。
Cafeと書かれた木製のサインが目印です。
様々な種類の広葉樹や色鮮やかな花が植えられた美しい庭。四季折々の変化を楽しめるように、丁寧に手入れがなされています。
外国に来たかのような錯覚を覚えてしまう風景ですが、ここは亀岡です。
正面のL字形の家の一部が店舗になっており、パラソルが建てられたウッドデッキにもテーブル席が用意されています。
自然と調和した設えは、美しく洗練されたものばかり。
店内はゆったりとした時間が流れ、可愛らしい季節の設えが随所に飾られています。
自然素材を使った飾りつけは、どれもセンスがよいものばかりで、見ていて飽きません。
店先で地元でとれた無農薬の野菜も販売されていました。
カフェに併設されているショップ。ジーンズショップと書かれた看板がありますが、現在ジーンズは置かれていません。
カフェに併設されたショップでは草木染めの洋服や日傘などが販売されている。
こちらではインド西部のアジュラックプリント(イスラム独特の幾何学模様や花柄をモチーフにした草木染め)の生地や洋服が販売されています。オーダーもできるそうです。
パーニュとよばれるアフリカンテキスタイルで作った日傘。9800円(税別)
色鮮やかな柄の日傘をさして歩いたら、暑い日のお出かけも楽しくなりそう。
ウッディな店内を暖める薪ストーブに癒される
ショップの反対側がカフェになっています。ウッディで温もりのある空間には、テーブル席が4つ。大きな窓からの光が差し込んだ店内は開放感たっぷりです。
店の奥でストーブに薪をくべている方がオーナーの薮内さん。
忙しく準備をされている合間に少しお話を窺いました。
素敵な庭と建物ですが、どのような経緯でお店をはじめられたのですか?
もともと、ここは栗林だったんですよ。今から30年前に、ユンボにまたがって一人で開墾したのが始まりです。庭も今は森みたいになっとるけど、最初は小さな、20cmくらいの苗木やったんです。それが年月が経って、こんな風になった。
この場所との出会いについて、教えていただけますか
若い頃、長岡京でジーンズショップを経営してたんやけど、アメリカのライフスタイルに憧れて、自分も田舎暮らししたい思てね。仕事しながら土地を探していたんですよ。
条件があって、ある程度の広さがあること、周りに家が立ってないこと、平らな土地よりは高低差がある土地。…そういう条件で、方々訪ね歩いたね。この場所にたどり着くまでに、けっこう探したかな。
田舎でのんびり暮らすことしか頭になく、カフェをするつもりは全くなかった。
現在のようなカフェにすることは、当初からイメージされていたのですか?
カフェをやるつもりは全くなかったんですよ。ジーンズショップを閉めて、田舎でのんびり暮らすことしか考えてなかった。電気もない、水道もないような土地やったけど、建築家の力も借りて、理想の家を建てることができた。完成してから数年は友人に自家製ピザ振る舞ったりして、静かに暮らしてたんやけどね…。
あるとき庭で、家族でランチしていたら間違って入ってきた人がいたんです。「ここカフェですか?」って。
その後も同じようなことが続いたから、「じゃあ、やってみるか」という話になった。ずっと接客をやってきて、別に接客が好きなわけでもないけど、家族だけで人に会わないのも寂しいということで。
ささいな事がきっかけでカフェが生まれたのですね。
そうですねん。自分達の楽しさをシェアしたら、皆さんにも楽しんでもらえるかもしれない。その程度の、ほんの軽い気持ちで始めた店なんです。
だから、お客さんがワンサカ来られても正直、対応に困るんですわ。そもそも集客を考えたら、こんな奥まったところで店をやらない。この閉ざされた隠れ里のような雰囲気に惚れ込んで、この場所を選んでいるので。
都会と違って、どこに行くにも距離があって不便やけど、道を走りながら四季を感じられる田舎の方が好きなんやね。
勝手な言い分かも知れないけど、そういう同じ感覚を持った方に来ていただきたいですね。
オーナーとお話をしていると、コーヒーとケーキが運ばれてきました。
コーヒーは深煎りで、しっかりしたコクがありました。
アイスが添えられたバナナマフィンは砕いたナッツとチョコレートソースがかけられていてボリューム満点。
しっとりしたマフィンの生地に溶けたアイスがしみこんで、絶妙の美味しさでした。
自家製のメレンゲクッキーは、お土産に最適。
美しい庭づくりの「極意」を教えてください!
いやいや、そんな大層なこと考えたこともありませんわ。庭に詳しいと思って聞かれること多いんやけど、自分は庭師でもないし、うちの庭には専門的な知識を要することは何もないからね。
見てもらえばわかるように、剪定に手間がかかる「松」みたいな木は植えてない。基本は放ったらかしやけど、ちょっと気になるなあと思ったらチェーンソーで伸びている箇所を伐るくらい。
強いて言うなら、掃除をマメにしていることかな。秋の大量の落ち葉に面倒だと思うことはあるけど、それも掃いたら心がスッキリするしね。
勝手に木が茂って、花を咲かせて楽しませてくれる。苦労と思ったことは一度もないんですよ。
プルーンの木
住所:京都府亀岡市本梅町西加舎上関田8
TEL:0771-20-1383
営業時間:10:30-16:30
定休日:火曜、水曜 臨時休業有り